BARAKA歌詞の世界(17)Dawn in the Jungle
歌詞の世界もいよいよ大詰め、あと3曲となりました。
で、今回お届けするのがDawn in the Jungle。この曲はデビューアルバムで日本語版、その後、Maxi Singleの中でインストになり(これがまた大胆なアレンジ)、5枚目で英語版に変化していきました。
曲としてはとにかくドラマチックな展開ですね。Zeppelinの天国への階段というか、パープルのチャイルド・イン・タイムというか、バラード風からの荘厳な展開を持った曲ですが、さらに変拍子まで入ります(その意味で、これらの名曲と比較するのは安直かもしれません。すみません)。
で、今回は歌詞に注目をするわけですが、この歌詞がまた深いというかとにかく壮大ですね。
あ、以下の「一つの解釈」を読む前にぜひ歌詞そのものを読んでみてください(英語歌詞の下に日本語訳があるのはいつも通りです)。
お読みいただけましたか。
さて、この歌のテーマは何か、というと、うーんなんでしょうか。「人は自然のほんの一部」だということを思い知ろう、とでも言えばよいのでしょうか。
タイトルは「ジャングルの夜明け」ですね。誰もいない、人の手が全く加わっていない未開のジャングル。そこでの夜明け。それまでの絶望的ともいえる静寂を従えていた暗闇に一条の光が射し、すべてが美しく輝く瞬間。この圧倒的な景色の前に、人間という存在とは一体何かを問うているようです。それに対する直接的な答えは示されていませんが、魂の深淵から湧き出る「声」を聴こう、と呼びかけています(このサビは本当に印象的ですね)。それによって「自然の神秘を取り戻そう」と。何かを忘れてしまった現代人に対する大いなる警告とも取ることができそうです。その何かとは……。
因みに、デビューアルバムの日本語版の歌詞も、ほぼ英語の歌詞と同じ流れなのですが、日本語版にのみ存在する重たい一節があるんです。それが「自由という名の束縛」という一節。自由と束縛、本来は相反する2つですが、その一方、私たちが普段「自由」だと思っているものは、実は「牙をなくし」「爪をおられた」自由だと言っているように感じます。さてそれは一体どういうことでしょう。
直接関係しないかもしれませんが、最近NHKで「欲望の時代の哲学」という番組をやっていました。マルクス・ガブリエルというドイツの哲学者が、現代社会をどう見るか、といった内容なのですが(かなり端折っています)、その中で「人間は本来自由の感覚・意思をもっているのに、資本主義や経済といったものが自由に影響を与え、欲望の奴隷と化した」という議論が出てきました。欲しいものが何でも買えるのが自由、欲望が何でも満たせるのが自由、というのは実は作られたまがい物の「自由」で、その「自由」に束縛されているのではないか、というのが番組の言いたいことのように感じました。そして、この番組を見ながら、この曲の「自由という名の束縛」というフレーズが何度も巡りました。
さらに横道にそれますが、その時に同時に思い出したのが、カナダのRUSHというバンド(3人組ですね。BARAKAは海外では「日本のRUSH」と呼ばれたりもします)の名曲Freewill(自由意志)の中の「If you choose not to decide, you still have made a choice」(何も決めないということもあなたの一つの選択だ)という歌詞。現代では常に「決める」ことを追い求めすぎていますが、そこから一歩引くのも本来の自由意志ということでしょうか。
さらにさらに横道にそれると、それってくまのぷーさんがクリストファーロビンに「何してるの?」と聞かれた時の名セリフ「何もしないことをしてるよ」にも通じるような。んー、ここまでくるといくら何でも脱線が過ぎますね(笑)。
すいません、ついつい長くなってしまいました(が、まだまだ書き足りないくらいだったり(笑)するくらい、深い歌詞です)。あとは皆様でじっくり味わってみてください。
Dawn in the Jungle
Breaking the silence without sounds
The light is rushing with the wind of space
It must be the most beautiful ritual
The light is coming with a promise of perfection
Breaking the darkest dark
A new day is born
I shiver with fear, the air cuts like a knife
I can’t help it, I am on my knees
The throbbing pain to survive
Echoes in the forest
Telling me the truth
Leading me to the place
“You, human, you are just a part of Nature”
I heard the word of the wind
The reach my mind
I stand up on my feet
My inner man is burning
It’s time to release the long-lost wild
Telling me the truth
Leading me to the place
Listen to the voice
Listen to the voice
Voices deep inside
Losing fangs just to bite
Trimming claws not to fight
Being tamed like a sheep
Being born behind bars
Get it back, get it back
Get the nature energy back to us
Telling me truth
Leading me to the place
Listen to the voice
Listen to the voice
Voices deep inside
静寂の扉を音もなく押し開けて
宇宙を従えた光が風を映す
この世で最も美しい儀式
光は完全なる約束と共にやってくる
深い闇を割いて夜明けが訪れる
肌を震わす張りつめた空気
跪かずにはいられない
生きるための疼きが
森の中でこだまする
真実を告げよ そこへ導いてくれ
“人は自然のほんの一部なのだ”
無言の圧力に思い知らされる
言葉は胸を刺し俺は立ち上がる
無意識の底でくすぶり続ける
野生を取り戻せ
真実を告げよ そこへ導いてくれ
「声」を聴け 「声」を聴くんだ
魂の深淵から湧き出る声を
牙をなくしたまま
爪を折られたまま
飼いならされたまま
生まれながらに隔離されてる
自然の神秘を取り戻せ
真実を告げよ そこへ導いてくれ
「声」を聴け 「声」を聴くんだ
魂の深淵から湧き出る声を
BARAKA歌詞の世界(16)Greatest Folly
4枚目のアルバムに収められていますが、その後は取り上げられることもなく、少なくともここ数年はライブでもやっていないので、ある意味で「目立たない」存在ともいえそうなこの曲。ミディアムテンポで、淡々と進むかと思いきや、最初の間奏部分はがっちり変拍子(ここはハリケーンが脳をふきとばしている場面でしょうか(笑))、という、聞けば聞くほどなかなか味わい深い曲ですが、実は歌詞も…….。
まずはとにかく下にある歌詞(日本語訳もさらに下についています)を読んでみてください。タイトルはまさに訳詞にある通り「愚の骨頂」。テレビでのキャスターの変な質問に頭が混乱してしまう、と、文字通り取ればそんな内容です。
でも、よく考えてみると、そもそもキャスターの質問が変ですし、本当はどうでもいい話。だから、最初はそのやりとりを「愚の骨頂」と言っていたはず。でも、そこから混乱をきたす主人公。そして今度は分からない自分を「愚の骨頂」だと思うようになって、脳が吹き飛ばされていく…。
なんとなく、メディアに対する風刺とも取れなくもないですし、そこに振り回されてしまっている私たちへの警告のようにも取れなくもない…。
まあ、いつもそうですが、皆さんなりに解釈して味わってみてください。
Greatest Folly
I can’t begin to walk
Since I watched a TV show
The presenter questioned the guests
“Which foot do you use for your first step?”
Silly!? The Greatest folly
Silly!? The Greatest folly
I began to think about myself
I realized I have no idea
However hard I try
My feet stop moving
Silly!? The Greatest folly
Silly!? The Greatest folly
Hurricane blows my brain away
Hurricane blows my brain away
I am ashamed of myself
For my lack of memory
I hit upon a good idea
I’ll call my mother
And ask maybe tomorrow
俺は歩き出せないでいる
あるTV番組を見てからだ
キャスターがゲストに向かって聞いた
“どちらの足から歩き出しますか”
バカげてる 愚の骨頂だ
バカげてる 愚の骨頂だ
自分の場合を考え始めると
まったくわからないことに気付いた
どんなにがんばっても
足は動いてくれない
バカげてる 愚の骨頂だ
バカげてる 愚の骨頂だ
嵐が俺の脳をふきとばす
嵐が俺の脳をふきとばす
忘れっぽいのには
自分ながらあきれてしまう…
いい考えがひらめいた
明日の朝おふくろに電話して
聞いてみよう
BARAKA歌詞の世界(15)Strawberry Wine
いよいよこの曲の歌詞の回がやってまいりました、Strawberry Wine。ぜひとも紹介したい歌詞ばかりではありますが、その中でもMUST READって感じの歌詞です。
ライブでもよく演奏されるので、ご存じの方も多いと思います。3枚目のアルバムBharmadのオープニングを飾っています。Single用のショートバージョンも出ています(アルバムAtlanticに収録されているのもそのバージョンです)。
このタイトル、一風変わっていますね。イチゴのワインって何だろう、という気がしますが、そう思って調べてみると最近は国産のいちごワインもあるんですね。
ただし、この歌は、時々ライブで説明もある通り、とあるオタマジャクシのあだ名なんですね。歌詞を読んでいただければ分かると思いますが。そのオタマジャクシの物語です。
自分は特別かな、と思ったけど、なかなかカエルになれない。その間にも友達はカエルになって、あるものはテレビのコマーシャルに出てる、自分は一体何をしているんだろうと焦ったり。そうかと思うと後半は夢の世界に移り、とても幻想的なシーンになります。読めば読むほど深い歌詞ですね。
因みにコマーシャルに出ているカエル、というと、バドワイザーのCMが有名ですね。3匹のカエルが出ていました。あの3匹、BudとWeisとErという名前なんだそうです。どうでもいいですが(笑)。
改めて読んでから聴いていただくと、より深くBARAKAの世界を感じられるのではないかと思います。いつかこの歌詞が童話になることを願いつつ。
Strawberry Wine
There was a tadpole called Strawberry Wine
Because he flushed with excitement
He was young and sprightly
He didn’t want to be a common frog
And believed he was a special one
Strawberry Wine looked up at the sky
At the end of 1999
10years later, he was still in the pond
As time went by, he became impatient
One of the classmates, Billy the frog
Appeared in a TV commercial
He was in the depths of despair
He thought he was the only one left behind
Nothing soothed Strawberry Wine
The little forest was full of his cries
I don’t know what to do, what to do
I don’t know what I can do, what can I do?
I don’t know what I should do, what should I do?
Strawberry Wine
Still in the pond
Strawberry wine
Still in the pond
One night he had a dream, a strange dream
A wonderful dream, a mysterious dream
He was floating on an ocean
That he had never seen before
Some dolphins smiled kindly at the Strawberry Wine
He was transformed into a great whale
Suddenly he left the water
And rose straight up into outer space
He was struck by its beauty and shed tears
The teardrops changed into stars
ストロベリーワインと呼ばれるおたまじゃくしがいた
興奮すると赤くなったから
彼は若く自信に満ち溢れ溌溂としていた
彼は普通の蛙にはなりたくなかった
自分が特別だと信じていた
ストロベリーワインは空を見上げた
1999年の終わりだった
10年経っても彼はまだ池の中
時が経つにつれて焦りを感じるようになっていた
クラスメイトのビリーザフロッグなどは
テレビのコマーシャルに出演していた
彼は絶望の淵に立っていた
たった一人取り残されたんだと感じていた
何物もストロベリーワインを慰めてはくれない
小さい森は彼の叫びで満たされていた
「何をしたらいいんだ!」
「一体何ができるんだ!」
「何をすればいいんだ!」
「何をしなければならないんだ!」
ストロベリーワインは池の中
ストロベリーワインは池の中
ある晩彼は夢を見た 不思議な夢を
驚くべき夢を 神秘的な夢を
彼は見たこともない大きな海に漂っていた
イルカがストロベリーワインに優しく微笑みかけた
紛れもなく彼は鯨だった
突然彼の体は水面から離れ
大気圏外へ真っ直ぐ登っていった
彼はあまりの美しさに涙を流し
その涙の雫は星に姿を変えた
BARAKA歌詞の世界(14)Sorrow for Tomorrow
歌詞の世界、次は日本語歌詞のSorrow for Tomorrow。
セカンドアルバムに収録されて以来の登場となります。以前紹介したAnt Lionもそうですが、この曲も日本語歌詞バージョンのみですね。
タイトルはなんとなく訳しにくいですね。「明日のための悲しみ」というとなんとなくそれっぽいですが、分かったような分からないような。ただ、歌詞を見ていくと、「光の向こうへ あなたは消えた」という部分があるので、誰かとの別れ、そしてその悲しみを表現していると思われます。「もがくぼくの涙」という歌詞もそんな印象ですね。
曲全体のしっとりとした雰囲気とも相俟って、何か心の底に染みていく、深くて重い悲しみが感じられます。ただ、それが誰に、もしくは何に対してなのかは読み解けません。
というか、読み解かない方が良いんでしょうね。聴いている人たちそれぞれの心に、どこか共感する何かがあれば、という思いなのかも、ですね。じっくり味わって聞いてみてください。
Sorrow for Tomorrow
横たわる沈黙と
絡み合う記憶
やわらかな影だけが
現実を纏う
海鳴りの底
したたる銀の水
戯れる煙と
響かぬ滴
光の向こうへ
あなたは消えた
Sorrow for Tomorrow
もがくぼくの涙
今を流れ
Sorrow for Tomorrow
閉じるあなたの声
今を流れてる
歴史の欠けらを
隠した扉
ぶつけて弾けて
砕けた時間
光の向こうへ
あなたは消えた
Sorrow for Tomorrow
軋むぼくの鼓動
今を溶かす
Sorrow for Tomorrow
滲むあなたの空
今を溶かしてく
Sorrow for Tomorrow
もがくぼくの涙
今を流れ
Sorrow for Tomorrow
閉じるあなたの声
今を流れてる
流れてる
流れてる
BARAKA歌詞の世界(13)Vampire
BARAKA歌詞の世界、続きましてはVampire。BARAKA IVに収録されて以降取り上げていなかったので、歌入りベストで久々の登場です、もっとも、実は最近のライブでも演奏したりしていますので、そこで聞かれた方もいるかもですね。
いきなり「人間になりたい」という悲痛な(?)叫びから入るこの曲ですが、タイトルにある吸血鬼(ヴァンパイア)って、いったいどの吸血鬼なのでしょうか。
ヒントは「人間になりたい」という歌詞です。なんとなく聞き覚え、ないですが?頭に「早く」をつけると、もしかしたら「あー」と思われる方もいるかもしれません。そう、「妖怪人間ベム」のオープニングソングです!実はあの「妖怪人間ベム」がこの歌のモチーフになっています(笑)。まあ、厳密にはベムは吸血鬼ではないですけどね。半分人間、半分妖怪、という意味では確かにぴったりです。
妖怪人間ベムという番組自体、覚えている人いますかね。先ほどの歌詞も入っているオープニング曲や、おどろおどろしい雰囲気の絵が印象的でした。関東地区では月曜日の夜7時半からフジテレビで放映されていたんですね。そしてさらに調べてみると、同時期に手塚治虫の漫画「バンパイヤ」がテレビドラマ化されています(これもフジテレビ)。まあ、どうでもよい情報ですが(笑)、なんとなく時代を感じますね。
そんな番組から、当時の依知川伸一少年は何を思ったのでしょうか。
じっくり歌詞を、そして曲を味わってください。あ、英語の歌詞の下に日本語訳、ついています(他の歌詞の世界もそうなっています)。
Vampire
I wanna be, I wanna be,
I wanna be human being
I wanna be, I wanna be, I wanna be,
I wanna be human being
I’m half man half-vampire
A day has gone – I’m left alone
I’m half man half-vampire
A century has gone – I’m left alone
I’ve forgotten my birthday
I only know it was in winter
Thousands of years have passed by
I built a mountain of good deeds one after another
And became able to live without sucking blood
I’m half-man half-vampire
A year has gone – I’m left alone
I’m half-man half-vampire
A millennium has gone – I’m left alone
I wanna be, I wanna be,
I wanna be human being
I wanna be, I wanna be, I wanna be,
I wanna be human being
I’m half man half-vampire
A day has gone – I’m left alone
I’m half man half-vampire
A century has gone – I’m left alone
Among the monster beings the human is an idol
We can’t have goals
Because we can never die
Some of my friends stopped trying to be human
Because of the modern ways
Yes, sometimes I can’t understand you
But I wanna believe in you
人間に 人間に 人間になりたい
人間に 人間に 人間に 人間になりたい
俺は半分人間 そして半分吸血鬼
1日が過ぎて行く 俺は取り残されたまま
俺は半分人間 そして半分吸血鬼
100年が過ぎて行く 俺は取り残されたまま
誕生日は忘れてしまった
冬だったってことは知っているけど…
幾千年が俺の側を通り過ぎていった
俺は善行を重ね
血を吸わないでも生きていけるようになった
俺は半分人間 そして半分吸血鬼
1年が過ぎて行く 俺は取り残されたまま
俺は半分人間 そして半分吸血鬼
1000年が過ぎて行く 俺は取り残されたまま
人間に 人間に 人間になりたい
人間に 人間に 人間に 人間になりたい
俺は半分人間 そして半分吸血鬼
1日が過ぎて行く 俺は取り残されたまま
俺は半分人間 そして半分吸血鬼
100年が過ぎて行く 俺は取り残されたまま
妖怪たちは人間にあこがれている
彼らは死ぬことができないから
目標をもつことができないのだ
友人の何人かは最近の人間を見て
人間になることをあきらめてしまった
そう俺も時々あなたがたが分からなくなる
でも俺はあなたがたを信じたい
BARAKA歌詞の世界(12) Illusion
歌詞の世界、続きましてIllusion。
セカンドアルバムに収録された曲です。日本語の歌詞と英語の歌詞の曲が両方存在するセカンドですが、この歌は最初から英語歌詞でした。
その後、5枚目に再収録された際に、ほんの少しだけですが、歌詞などが変わっています。ベスト盤もこちらがベースですね。
イリュージョンというタイトル、「川の上を歩いてくる男」、「救世主」、「すべては幻想」、いつもながらの謎に包まれた世界ですが、その一方で、なんとなく絵が浮かんでくる気もしますね。あれは夢だったのか、でもスウェードの手触りはよく覚えている、といった感じでしょうか。
ちなみに、川の上を歩く男と聞いて、ツェペリ男爵を思い浮かべたあなた、ジョジョのファンですね(笑)。波紋を使って川を渡る場面はなかなかの名シーンでした。
まあ、冗談はさておき。この歌の元になっているのは、ジョジョではなくて(笑)、リチャードバックの「イリュージョン」という小説です。
リチャードバック、かもめのジョナサンで有名な作家ですね。その彼がかもめのジョナサンの大ブレイクの後に書いたのが、「イリュージョン」です。非常に不思議な物語であり、様々な含蓄あるセリフが登場するのですが、それはぜひとも皆様自身で味わってみてください(訳本によっては入手しにくいかもしれませんけど)。
そしてもちろんこの曲も、歌詞とともにじっくり味わってみてください。
Illusion
A man in a blue satin was walking on the river
It was wonder that he was not wet
He slowly turned his face
And silently came up to me
He handed me a book of suede
The title was “A guide to Messiah”
Was I in a dream or was I in a real world?
Now I don’t know where the book has gone
Maybe I have lost it
I’m sure I have been waiting for someone
Who leads me to the world I belong to
And I have been looking for something
To live my life
He said
All you need is some curiosity
All you need is some imagination
All you need is some conviction
All you need is……
I wasn’t interested in Messiah
But I remember his last words
“it’s not a miracle or magic,
Everything in this world is an illusion”
青いサテンの服を着た男が
川の上を歩いていた
不思議なことに彼の服は
まったく濡れていない
彼はゆっくりと振り向き
静かに私の方へやってきた
そしてスウェード製の本を手渡した
「救世主入門」という本を
あれは夢だったのか
それとも現実だったのか
あの本はどこかに行ってしまった
たぶんなくしてしまったのだろう
確かに私は自分のいるべき世界へと
導いてくれる誰かを待っていた
そして人生の本当の意味を探していた
彼は言った
必要なのは好奇心だよ
必要なのは想像力だよ
必要なのは確信だよ
必要なのは…
救世主になんて興味なかった
でも彼の最後の言葉はよく覚えている
“奇跡でも魔法でもない この世のすべては幻想なんだ”
BARAKA歌詞の世界(11)Mach Zero
歌詞の世界もようやくDisc 2に突入しました。
そのオープニングがMach Zero。6枚目のオープニングを飾る、疾走感あり、かつドラマチックな名曲ですね。
さてこのタイトル、英語読みだとマークゼロですが、Machは日本語で言うところの「マッハ」です。マッハGoGoGoとかにも出てきますね(古すぎ(笑))。もともとはオーストリアの学者の名前に由来します。
マッハ1が音速(地上で気温が15度くらいならば約340m/s)ですから、とてつもなく速い、のですが、マッハ0だとするとそれは止まっています。それは何か、というと歌詞を読むとどうも「私たちのいるこの地球」のことを表しているようですね。
地球は公転も自転もしています。分かりやすいのは自転ですね。一日一周、その速さは緯度によって異なりますが、東京(北緯約36度)だと約32,000キロ/日、約374m/sということで、マッハ1よりちょい速い、ということになります。
公転になるとこれがもっと速くて、マッハ87くらい(!)だそうです(宇宙空間は音が伝わらないので、本当はマッハという定義が成り立たないのですけど、まあそこはイメージということで)。
歌詞の中で「廻っている」という表現があるので、おそらく自転か公転か、のイメージでしょうね。いずれにせよ、ものすごい速さです。
ちなみに、さらに言うと太陽系も動いてまして、しかもとてつもなく速い!ま、そのあたりを言い出すときりがないので、その辺にしておきましょう(笑)。
その地球をあえてMach Zeroと表現したこの歌。動いているけど動いていない、その奇蹟の世界で生きていること自体が奇蹟なんだから……あとは歌詞を味わっていただければと思います。
曲もぜひお聴きください。
Mach Zero
Can you feel the speed?
What a speed! Yes indeed
Can you believe the Earth turns round so fast?
Can you believe the speed?
Children in need, dogs in tweed
And butterweed breathe deeply
In the stillness, in the bustle
In the desert, in the battle fields
We can’t feel the speed
We can’t feel the speed
Can you feel the speed?
What a speed! Yes indeed
Can you believe the Earth turns round so fast?
Can you feel the speed?
Broken read, old steed
And cotton seeds gives a big yawn
In the stillness, in the bustle
In the desert, in the battle field
We can’t feel the speed
We can’t feel the speed
Walking on the turning sphere
Wonder of perfect balance
Sleeping on the turning sphere
Marvel of time and space
Working on the turning sphere
Wonder of perfect balance
Thinking on the perfect sphere
Marvel of time and space
Even the candle light doesn’t go out
It doesn’t go out without wind
Hunger and fatness kill mankind
Thoughts and ideology kill mankind even now
Having no fulfillment kill mankind
We must do remember the Earth is a miracle planet
Walking on the turning sphere
Wonder of perfect balance
Sleeping on the turning sphere
Marvel of time and space
Working on the turning sphere
Wonder of perfect balance
Thinking on the perfect sphere
Marvel of time and space
Even your black hair doesn’t wave
It doesn’t wave without my sigh
Stress and ill will kill mankind
Virus and ignorance kill mankind even now
Having no fulfillment kill mankind
We must do realize the Earth is a miracle planet
Can you feel the speed?
What a speed! Yes indeed
Can you believe the Earth turns round so fast?
Don’t feel the speed!
You don’t need to feel the speed
If you feel the speed, you will be shaken off from the Earth
スピードを感じるかい?
なんという速さ!
この星がものすごい速さで
廻っているなんて信じられるかい?
スピードを感じるかい?
困っている子供たち
ツイードの服を着た犬
そして黄色い草花
みんな深呼吸してる
静けさの中で 喧噪の中で
砂漠で 戦場で
スピードなんて感じない
スピードなんて感じやしない
スピードを感じるかい?
なんという速さ!
この星がものすごい速さで
廻っているなんて信じられるかい?
スピードを感じるかい?
いざという時信用できない人
年老いた馬
そして綿花の実
みんなあくびしてる
静けさの中で 喧噪の中で
砂漠で 戦場で
スピードなんて感じない
スピードなんて感じやしない
廻る球体の上を歩いてる
完璧なるバランスの不思議
廻る球体の上で眠ってる
時間と空間の驚異
廻る球体の上で働いてる
完璧なるバランスの不思議
廻る球体の上で考えてる
時間と空間の驚異
?燭の火さえ消えやしない
風が吹かなきゃ消えやしない
飢餓や肥満が人類を殺してる
思想やイデオロギーが人類を殺してる
生きがいのないことが人類を殺してる
地球が奇蹟の星だってことを思い出さなきゃ
廻る球体の上を歩いてる
完璧なるバランスの不思議
廻る球体の上で眠ってる
時間と空間の驚異
廻る球体の上で働いてる
完璧なるバランスの不思議
廻る球体の上で考えてる
時間と空間の驚異
君の黒髪もそよがない
僕のため息がなかったらそよがない
ストレスや悪意が人類を殺してる
ウイルスや無知が人類を殺してる
生きがいのないことが人類を殺している
地球が奇蹟の星だってことに気付かなきゃ
スピードを感じるかい?
なんという速さ!
この星がものすごい速さで
廻っているなんて信じられるかい?
感じなくていい!
感じなくていいんだ!
感じたら振り落とされてしまうかもしれないから
BARAKA歌詞の世界(10)The Chairs Made of Guns
2枚組の歌入りベスト、The Best of BARAKA SONGSのDisc1の最後を飾るのがこの曲です。
ということは、この企画もようやく半分まで来た、ということですね(まだ半分!?とも言えます(笑))。
さてこの曲。元々は6枚目のアルバムに入っていました。その時のタイトルはMade of Gunsです。で、その後9枚目のアルバムにインストとして再構成され、その時のタイトルがThe Chair Made of Guns(椅子が単数形です)。このインストバージョンはThe Best of BARAKAにも収録されていますね。で、今度歌入りのベストに入ると椅子が複数になってタイトルにも登場。んー、変幻自在というかなんというか(笑)。
BARAKAの歌詞は様々なタイプのものがありますが、これは比較的「何か」が分かりやすい、説明的な歌詞ですね。モザンビーク、家族の写真、椅子。でもその椅子がMade of Guns、というわけです。モザンビークはアフリカ南東部に位置する国ですね。マダガスカル島の西側にあって、海に面しています。1992年まで内戦が続いていて、この内戦だけで100万人が犠牲になったとも言われています。
内戦終了後も、貧困、低教育、医療不足等様々な問題を抱えていたのですが、平和と復興に近づける活動の一つとして、「銃を鍬へ」というプロジェクトが開始されました。そこで回収された銃の一部がアート作品となり、そしてその「椅子」という作品がこの曲へとつながっています。
ところで、武器をアートに変えた作品の一部は日本の愛媛県にあるのだそうです。2019年9月にも西条市でアート展が開催されたとのこと。BARAKAはあいにく愛媛には訪れたことがないのですが、機会があればその作品たちにも出会えるかもしれません。
そんな深いテーマが描かれた本作。ぜひ聞いてみてください。あ、インストとの聴き比べも面白いです。かなり異なるバージョンとなっていますよ。
The Chairs Made of Guns
I gazed blankly at a paper
I found a photo of Mozambique
A family and two chairs
The father read a paper like me
It seems ordinary life
Heartwarming and peaceful
But I felt something was wrong
With their nerveless faces
I gazed blankly at a paper
I found a photo of Mozambique
It seems ordinary life
Heartwarming and peaceful;
A family and two chairs
The father read a paper like me
But I felt something was wrong
With their nerveless faces
Relaxing on the chairs
Chairs made of guns
Relaxing on the chairs
Chairs made of guns
It seems ordinary life
Heartwarming and peaceful
But I felt something was wrong
With their nerveless faces
Relaxing on the chairs
Chairs made of guns
Relaxing on the chairs
Chairs made of guns
In the sunlight filtering down through the trees
In the sunlight filtering down through the trees
Relaxing on the chairs
Chairs made of guns
Relaxing on the chairs
Chairs made of guns
ぼんやりと新聞を眺めていると
モザンビークの写真が眼に入った
家族と2つの椅子
父親は僕のように新聞を読んでいる
何気ない日常のひとコマに見えた
ほほえましく平和な光景に
でもよく見ると無気力な表情の中に
ある違和感が浮かんでる
ぼんやりと新聞を眺めていると
モザンビークの写真が眼に入った
何気ない日常のひとコマに見えた
ほほえましく平和な光景に
家族と2つの椅子
父親は僕のように新聞を読んでいる
でもよく見ると無気力な表情の中に
ある違和感が浮かんでる
彼らは銃でできた
椅子でくつろいでいた
銃で作られた椅子で
くつろいでいたんだ
何気ない日常のひとコマに見えた
ほほえましく平和な光景に
でもよく見ると無気力な表情の中に
ある違和感が浮かんでる
彼らは銃でできた
椅子でくつろいでいた
銃で作られた椅子で
くつろいでいたんだ
木漏れ日の中で
木漏れ日の中で
彼らは銃でできた
椅子でくつろいでいた
銃で作られた椅子で
くつろいでいたんだ
BARAKA歌詞の世界(9) Ant Lion
歌詞の世界についに日本語の歌詞、登場!1stアルバムのオープニングに収録されている、BARAKAのデビュー曲、Ant Lionです。日本語だから聴けばわかる、という説もありますが、今や幻のアルバムのため、歌詞カードも幻になってしまっていることから、こちらで紹介いたします。
力強く重い4分の5拍子とともに、歌詞も重くのしかかってきます。蟻地獄に飲み込まれていく、でも諦めない、といったエネルギーも感じられます。この蟻地獄を英語で言うとAnt Lionなんです。ご存じの通り、ウスバカゲロウの幼虫のことですし、その巣のことを指すことも多いですね。
それにしてもアリジゴクの英語名にライオンって入っているのは妙だなー、と思って調べてみると、なんと中世ヨーロッパの伝説上の生物ミルメコレオに遡るそうです。ライオンの父とアリの母を持つという生物で、顔はライオン、首から下はアリなのだそうです。どうも旧約聖書の誤訳から生まれたものらしいですが(ややこしいので説明略)、それがいろいろと転じて、ライオンのように隠れて獲物であるアリを狙う生物となり、その結果、アリジゴクのことを指すようになった、のだそうです。すべてネット情報の受け売りですが(笑)。
それにしても、アリジゴク、成虫になるとウスバカゲロウですが、その別名という俗称が極楽トンボなんですね。地獄から極楽へ転じるとは縁起がいい、ということなんでしょうか。その一方、「薄馬鹿下郎」なんて失礼な書き方をされることもありますが(笑)。ま、もはやどうでもよいですね(歌詞の格調を下げてしまいました)。じっくり歌詞を味わいながら再度聴いてみてください。じっくり聞けばあなたもBARAKAの素晴らしさから逃げられなくなりますから。
ANT LION
BARAKA歌詞の世界(8) Let Me In
4枚目の最後を飾る楽曲Let Me In。今でもライブで(少なくとも曲の一部が)演奏されたりしますが、実は正式なアルバムとして収録されているのは、4枚目と歌入りベストのみです。これまでのベスト的アルバムには入ってなかったんですね。少し意外感もあります。
さてこの曲ですが、歌詞の難解さ、という意味ではBARAKAの中でもトップクラスなのではないでしょうか。
いきなり「瞳の白い部分に飛び込みたい」って……白目ですか?いやいや、誰目線?目薬!?ではないでしょうけど(^^;)。
よくわかりません……なので、あとは読んでください!
というのも寂しいので、強引に妄想を巡らせてみます。
「白目」と聞いて思い出すのは、「白目が常にはっきり見えているのは生物の中で人間だけ」という話です。その理由は「それによって表情によるコミュニケーション力が高まるから」ということなのだそうです。確かに「目は口程に物を言う」ともいいますし、本当の感情は「目」に出る、などともいわれますが、なるほどそれは白目が見えているからということなんですね。ある意味で白目は人の「潜在的な心理が現れるための場所」なのかもしれません。
となるとそこに飛び込むということは、「あなたの本音に触れたい」ということなんでしょうか。そうなると、次の「魂に飛び込みたい」ともつながるような気がしますが、それが「死にたくない」という歌詞とどう関連しているのか、というとさっぱりです(^^;)。
白目に飛び込む?命がけ?あれ、もしかしてこれ「ミクロの決死圏」のこと(笑)??
とまあ、妄想を膨らませてみましたが、本当のところはよくわかりません(笑)。まあ、それでいいのかもしれませんね。
皆さんも曲を聴きながらいろいろと妄想してみてください。
Let Me In
I wanna dive into the whites of your eyes
I wanna dive into the whites of your eyes
I wanna dive into the whites of your eyes
I wanna dive into the whites of your eyes
I wanna jump into your soul
I wanna jump into your soul
I wanna jump into your soul
I wanna jump into your soul
I don’t know why I don’t know why
I don’t know why
I don’t know how I don’t know how
Show me the way
I don’t know why I don’t know why
I don’t know why
I don’t know how I don’t know how
Show me the way
Let me in
Let me in
Let me in
Let me in
I wanna dive into the whites of your eyes
What is at the bottom of your eyes?
I wanna jump into your soul
What is at the bottom of your soul?
I don’t wanna die
I don’t wanna die
I don’t wanna die
I don’t wanna die
Whites of your eyes
Whites of your eyes
Whites of your eyes
Whites of your eyes
I wanna dive into your eyes
I wanna dive into your eyes
I wanna dive into your eyes
I wanna dive into your eyes
君の瞳の白い部分に飛び込みたい
君の瞳の白い部分に飛び…
君の瞳の白い部分に…
君の瞳の…
君の魂に入り込みたい
君の魂に入り…
君の魂に…
君の…
どうしてだろう?
何でだからかはわからない
どうしよう?
どうすればいいのかもわからない
誰か…教えて
どうか
僕を
受け入れて
ほしい
君の瞳の白い部分に飛び込みたい
君の瞳の奥には何があるのか
君の魂に入り込みたい
君の魂の底には何があるのか
死にたくはないけど…
死にたくはない…
死にたくは…
ない…けどね
君の瞳の白い部分
白眼?
白眼!
白い部分に
君の瞳の中に飛び込みたい
君の瞳の中に飛び込みたい
君の瞳の中に飛び込みたい
君の瞳の中に飛び込みたい