BARAKA歌詞の世界(18)Sand Sculpture

いよいよ、ご紹介する歌詞もあと2曲。今回は日本語の歌詞であるSand Sculptureです。
ファーストアルバムの2曲目に収録され、その後、5枚目で英語の歌詞に、その後はある曲との組み合わせでインストへと変貌を遂げている曲ですが、歌入りベストでは敢えて日本語版が登場。
さて、その歌詞ですが、読んでいただくとわかる通り、難解です。タイトルは「砂の彫刻」というのが直訳ですね。鳥取にある「砂の美術館」には多数の砂像(砂の彫刻)が展示されていますが、ここで歌っているのは、もう少し素朴な、歌詞の中にもある「砂の器」ということでもいいかもしれません。
さて、歌詞の中身を見てみましょう。「繰り返し」「作り 壊し」というのは、後にでてくるような浜辺での砂遊びをイメージさせますが、それが「危ういバランス」「無用のプライド」となると、いったい何か。それを見極める?暴く?さらには「イコン」、「Collusion(共謀)」「Hypocrisy(偽善)」といった単語まで並びます。なんとなく、見せかけだけのまがい物、見せかけの善意といったものに対する警鐘のようにも感じられますね。砂上の楼閣、なんていう言葉も浮かんできます。
その一方で、唯一「本物」と捉えているのが、子どもが作った砂の器。本来、砂の器が本物であるはずはないのですが、それを紛れもなく「本物」と断言しています。表面的な出来上がりを見るのではなく、その過程、邪念もなく、ただ一心に作り上げられたもの、ということで「本物」ということなのかもしれませんね。
あ、少し話逸れますが、「一心」ともいいますが、「無心」ともいいますね。この辺りの関係については、興味ある方は調べていただければと思いますが(単にそれをうまく説明できるだけの筆力もないし知識もないから、なのですが(^_^;)、簡単に言うと、一心こそが無心?という話を聞いたことがあります)、BARAKAの楽曲、そして歌詞に、「一心」であり「無心」な世界を強く感じませんか。

Sand Sculpture

限りない 繰り返し
作り 壊し また始まる
尽きない 危うい バランス
Ah 歪んだ 無用のプライド

誰がそれを見抜くか
誰が見極めるか
誰が何を暴くか

果てしない 繰り返し
動き 止まり また始まる
虚に佇む イコン
Ah 消え去る 醒めた
Collusion and Hypocrisy

浜辺で遊ぶ 子どもたちの手に
砂の器が きらめいている
驚くほどに 形は揃い
それは紛れもなく 本物なのだ

誰がそれを見切るか
誰が見定めるか
誰が何を捌くか

Sand Sculpture

とめどない 繰り返し
生まれ 眠り また始まる

誰がそれを見抜くか
誰が見極めるか
誰が何を暴くか

Sand Sculpture
Sand Sculpture