BARAKA歌詞の世界(2)Mice and Elephants

BARAKA歌詞の世界第二弾、今回は4枚目のアルバムBharmadの2曲目に収録されていたMice and Elephantsです。

タイトルからピンとくる方もいるかもしれませんが、「ゾウの時間 ネズミの時間」という本からヒントを得た歌詞と推察されます。歌詞もそんな感じですしね。
1992年に発刊されたこの本、当時は一大ブームと言っていいほど売れました。
そしてなんど絵本にもなっているんですね。
動物にはサイズに応じてそれぞれ固有の心臓鼓動のペースがあり、固有の時間があるというお話です。

因みにこの曲、16分の17拍子で始まり、途中から3拍子、さらに途中にはカウント不可能な部分も(^_^;)。
ネズミにも、ゾウにも、そしてBARAKAにもそれぞれのペースがある、ということがこの曲のイイタイコトだったりして(笑)。

 

Mice and Elephants

Mice and Elephants
They have their own pace
Mice and Elephants
They have their own time

I am here, you are here
We are here, you are here

Sometimes I feel uneasy
About my future
I know there is no doubt
The fortune-telling is a job

One king was taking Mercury
To live a long time
Nothing could stop his greed or passions
He didn’t know
Wicked gambling brought bad luck

The number of heartbeats is limited
One is fast, one is slow
Don’t judge the length of time
By our own standard
A positive fact is only in the present

Mice and Elephants
Mice and Elephants

 

(日本語訳)
ネズミとゾウ
彼らはそれぞれのペースを持っている
ネズミとゾウ
彼らはそれぞれの時間を持っている

僕はここにいる 君はここにいる
僕達はここにいる 君達はここにいる

時々未来に対する不安を感じる時がある
占いがひとつの職業だってことは明白だけど

ある王様は長寿のために水銀を服用していた
彼の欲望は何ものにも止めることはできなかった
彼は知らなかった 邪(よこしま)な賭けは
悪い結果しかもたらさないってことを

心臓の鼓動の数は限られている
あるものは速く あるものはゆっくりと
人間を基準に時の長さを計ってはいけない
確かな事実は目の前にしかないのだから

ネズミとゾウ
ネズミとゾウ

BARAKAオーストリア紀行(1)

2019年10月、BARAKAはオーストリアのあるフェスに招待され、その演奏のためオーストリアへ。その模様の一部はFBなどでもお伝えしましたが、このブログでも紹介しようと思います。題して、BARAKAオーストリア紀行(ベタなタイトルですいません)。

10月10日の夜、羽田空港を出発したBARAKA一行。ドバイ経由でウィーンへ向かいました。トランジットでの待ち時間も含めると、羽田についてからウィーンまででほぼ24時間というなかなかの長旅。しかもそのあとウィーンから車で3時間、約250キロ先にあるグラーツという街へ向かったので、それはもうヘロヘロ。ただし、道中とても天気が良く、暖かかったので気持ちのいいロングドライブだったのが救いでした。
その日の晩御飯は近くのレストランへ。ミックスグリルを頼んだのですがとにかく量が多い!特にポテト!!なんじゃこりゃというボリュームに悪戦苦闘しておりました。

グラーツで泊まったホテルは研修施設などが併設されていて、宿泊客の多くは、研修合宿中といった感じでした。変わっているのが入口にある自動販売機。ビールや飲み物は当然あるのですが、ボトルワインや、タマゴにりんごにはちみつまで売ってます(バー○ントカレーでも作るのかしらん(笑)?)。で、折角なので試しにとビールを買おうとしたら、お金を入れても機械が反応しない!?何でなんで、と大騒ぎしましたが、フロントの方に聞いたら「年齢制限があるので」とのこと。フロントの方がカード(日本でいうところのタスポみたいなもんなんでしょうね)をかざしてくれてようやく買えました(^_^;)。因みに写真をよく見ると自動販売機に「24時間営業」と書いてあります。実際、夜になるとほとんどの店は閉まってしまいますので、ビールには簡単にありづけず、しかも自動販売機使いたくても、フロントも夜は無人になってしまいます(^_^;)。結局初日はサウンドチェック後にガソリンスタンドに寄ってもらい、そこで飲み物を調達しました。なかなか旅行先では思い通りに行きません。日本って便利ですね。

ということで、いよいよライブに向かうのですが、それは次回!

写真は、羽田での元気なBARAKAと謎の自動販売機です。

 

BARAKA歌詞の世界(1)The Definition

こんにちは。
昨年発売された、The BEST of BARAKA SONGS、聴いてますか。
これは「SONGS」というだけあって、歌詞入りの曲のベストになっています。
ただ、諸般の事情でCDには歌詞カードが入っていません(涙)。
ということで、だいぶ時間が経ちましたが、折角なのでこの場で徐々に歌詞を紹介していきたいと思います。

まずはDisc1のオープニングを飾る「The Definition」!
Definitionとは日本語だと「定義」となります。
定義というと、数学などでも用いられる「堅い」用語です。
歌詞の世界にはあまり馴染まないような気もしますね。

さて、この曲ではどのような意味で「定義」を用いているのでしょうか。
なお、歌詞の中で出てくる「定義」はたったの一回です。
それは「美の定義」という言葉。
ただし、そこはBARAKA。その歌詞に秘められた内容は単純ではありません。
歌詞全体に「んーなるほど、定義って何?」と思わせる深いものがあります。

それはじっくりと歌詞を味わって頂ければと思います。曲も是非お聴き下さい。

(日本語訳も下に掲載しています)

 

The Definition

( a) A day in the life of a convict)
I woke up late in the morning
There’s no change in my days
I’m a convict all alone
In a damp room with no windows

I can justify my conduct to you
I did it for the human race
I only ripped some old pictures
Displayed in the museum

Those were rubbish trash and junk
I’m not guilty

Here comes the pain
They force me to re-educate
I hate the meaningless programs
Please just hang me

They make me memorize the names of flowers
They make me listen to outdated music
And make me read poetry and biographies

The final program is a movie
Every time the theme is “Beauty”
I must write a paper on “Beauty”
“The Definition of Beauty”

They turn the lights off
The movie comes on…

( b) Falstaff)
This is a tale of a town called “Falstaff”
The people were all past middle age
And there were no women
They were simple but kind at heart
The birds were singing in the trees everywhere

Without exception
They were all very fat
And challenged each other
To grow their bellies
They were proud of their style
The mayor was born in 2075
A cheerful person, he was respected

At night he locked himself in his study
And opened the magazine that was forbidden
A special number featuring articles on the 20th century rock stars
“What is beauty?”
And he sat down again

They were proud of their style
And believed their sense of “Beauty”

The sun of the town comes up as usual
The birds are singing in the trees everywhere

 

(日本語訳)
( a) ある囚人の一日)
午前中ゆっくりと目が覚めた
変化のない退屈な日々
俺は囚人
窓のない湿った部屋に隔離されている

俺は正当だということを主張したい
人類のためにやったのだ
美術館に飾ってあった19世紀の絵を
切り裂いただけじゃないか

まったくもってくだらない陳腐なガラクタを…
俺は無罪だ

苦痛の時間がやってきた
俺は再教育を強要されている
全く意味のないプログラム
縛り首にしてくれた方がよっぽどましだ

全ての花の名前を覚えさせられ
時代遅れの音楽を聴かされ
詩や伝記を読まされる

最後のプログラムはフィルムを見ること
毎回テーマは“美”だ
“美”について“美の定義”について
レポートを提出しなければならない

明かりが消され映画が始まる

(b)ファルスタッフ)
ファルスタッフと呼ばれる街の物語
住民は中年を過ぎた人達だけ
そのうえ女性は一人もいない
単純だけど心優しき人々
いたるところで鳥がさえずっていた

例外なく彼らは太っていた
太鼓腹の形を競いあっていた
彼らは自分達のスタイルを誇りに思っていた
市長は2075年生まれ
明るい人柄で尊敬されていた

夜になると彼は書斎に引き篭って
発売禁止のマガジンを手にとる
20世紀のロックスターの特集号だ
“美”とは何だろう?
彼はまた考え込んだ

彼らは自分たちのスタイルを誇りに思い
美的感覚を信じていた

ファルスタッフの朝は今日もやってくる
いたるところで鳥がさえずっていた