BARAKA歌詞の世界(12) Illusion

歌詞の世界、続きましてIllusion。
セカンドアルバムに収録された曲です。日本語の歌詞と英語の歌詞の曲が両方存在するセカンドですが、この歌は最初から英語歌詞でした。
その後、5枚目に再収録された際に、ほんの少しだけですが、歌詞などが変わっています。ベスト盤もこちらがベースですね。
イリュージョンというタイトル、「川の上を歩いてくる男」、「救世主」、「すべては幻想」、いつもながらの謎に包まれた世界ですが、その一方で、なんとなく絵が浮かんでくる気もしますね。あれは夢だったのか、でもスウェードの手触りはよく覚えている、といった感じでしょうか。

ちなみに、川の上を歩く男と聞いて、ツェペリ男爵を思い浮かべたあなた、ジョジョのファンですね(笑)。波紋を使って川を渡る場面はなかなかの名シーンでした。
まあ、冗談はさておき。この歌の元になっているのは、ジョジョではなくて(笑)、リチャードバックの「イリュージョン」という小説です。
リチャードバック、かもめのジョナサンで有名な作家ですね。その彼がかもめのジョナサンの大ブレイクの後に書いたのが、「イリュージョン」です。非常に不思議な物語であり、様々な含蓄あるセリフが登場するのですが、それはぜひとも皆様自身で味わってみてください(訳本によっては入手しにくいかもしれませんけど)。
そしてもちろんこの曲も、歌詞とともにじっくり味わってみてください。


Illusion

A man in a blue satin was walking on the river
It was wonder that he was not wet
He slowly turned his face
And silently came up to me
He handed me a book of suede
The title was “A guide to Messiah”

Was I in a dream or was I in a real world?
Now I don’t know where the book has gone
Maybe I have lost it

I’m sure I have been waiting for someone
Who leads me to the world I belong to
And I have been looking for something
To live my life

He said
All you need is some curiosity
All you need is some imagination
All you need is some conviction
All you need is……

I wasn’t interested in Messiah
But I remember his last words
“it’s not a miracle or magic,
Everything in this world is an illusion”

青いサテンの服を着た男が
川の上を歩いていた
不思議なことに彼の服は
まったく濡れていない

彼はゆっくりと振り向き
静かに私の方へやってきた
そしてスウェード製の本を手渡した
「救世主入門」という本を

あれは夢だったのか
それとも現実だったのか
あの本はどこかに行ってしまった
たぶんなくしてしまったのだろう

確かに私は自分のいるべき世界へと
導いてくれる誰かを待っていた
そして人生の本当の意味を探していた

彼は言った
必要なのは好奇心だよ
必要なのは想像力だよ
必要なのは確信だよ
必要なのは…

救世主になんて興味なかった
でも彼の最後の言葉はよく覚えている
“奇跡でも魔法でもない この世のすべては幻想なんだ”